BLOG006:必須脂肪酸

BLOG006:必須脂肪酸 820 312 オーガスト

今回お話する必須栄養素は「必須脂肪酸」です。

現在の化学で必須とされている脂肪酸は2種類のみ。
以前にもお話しましたが、これらの栄養素が「必須」とされる理由は、

① 人間が生命を維持する上で必要不可欠な栄養素であるため
② 体内で生み出すことができないため、食事から摂取しなければならない

以上、2つの理由を皆さん覚えておきましょう。

ではさっそく、この人間にとって必須な栄養素である2種類の必須脂肪酸「オメガ3」と「オメガ6」についてお話していきたいと思います。

「オメガ3は健康にいい」というのは、誰もが一度は聞いたことがあると思います。
栄養素界のスターがいるのであれば、間違いなくオメガ3がトップにくるでしょう。
しかしスターの栄光の陰には、誇大広告がつきまとうように「健康にいい」ともてはやされているオメガ3にも同じことが言えるのではないかと僕は疑います。

逆に、オメガ3がスター扱いされている一方で、オメガ6はまるで悪者扱い。
最近では「オメガ6の摂取を控えるように」と言われることが増えてきました。
オメガ6の過剰摂取は健康に被害を及ぼすひとつの原因になるとさえ言われています。

ただ、ここで皆さんに覚えていてほしいのは、オメガ6も必須脂肪酸の一つであり、摂取する必要があるということです。

ここまで脂肪酸についてざっくり述べてきましたが、体内での脂肪酸の働きや、脂肪がどう代謝されるのかについては、まだ完全には明らかになっていません。
未知なる可能性を秘めているからこそ、科学者や専門家にとって奥が深く面白い。
彼らの好奇心や探究心をそそるフィールドと言えるでしょう。

さて、ここではそんな複雑な必須脂肪酸の働きについて、僕がシンプルすぎるくらいにまとめて皆さんにお伝えできればと思います。

① 必須と言っても、必要なのは少量だけ。

人間の細胞の中を見てみると、オメガ3とオメガ6は比較的少量しか含まれていないことが分かります。
どちらが優位などということも細胞の中では関係ありません。
むしろ人間の細胞は、ほぼオメガ9と飽和脂肪酸でできているんです。面白いでしょう?(詳しくは来週のブログにて)

② オメガ6とオメガ3は、酸化の影響を受けやすい特徴があります(特にオメガ3)。

これは分子の構造上、残念ながら避けることはできません。
酸化は空気に触れることで起こります。人間の体内に空気(酸素)はあるでしょうか?もちろんありますよね。
オメガ3とオメガ6を摂れば摂るほど、体内は酸化によるストレスにさらされることになるのです。
さらに、熱に弱いこともオメガ6とオメガ3の特徴です(特にオメガ3)。
オメガ6、3系のオイルは、絶対に加熱料理に使用しないようにしましょう。

③ どれだけオメガ3が身体にいいと世間でうたわれていても、僕はオメガ3系オイルを一切使いません。
その代わりに、僕はオメガ3を食材から摂取することをおすすめします。

そうすることで、食材に含まれる抗酸化物質がオメガ3を酸化から守ってくれるからです。
またもう一つ重要なのは、植物性のオメガ3(ALA)と動物性のオメガ3(EPA、特にDHA)の両方を摂ること。

僕がおすすめするオメガ3食品は以下の通りです。
こちらを参考に良質な必須脂肪酸を摂るように心がけてみてください。

▼おすすめのオメガ3食品一覧
クルミ
イワシなどの天然の小魚
放し飼いで育てられた鶏の卵の黄身や鶏皮
牧草牛の牛脂や牧草牛のバター