BLOG 005-1:「肉の主張」 高まるヴィーガン人気 果たして本当に健康にいいの?

BLOG 005-1:「肉の主張」 高まるヴィーガン人気 果たして本当に健康にいいの? 820 312 オーガスト

最近、ヴィーガンの人気が高まってきているように感じます。

僕はヴィーガンの人に会うと「なぜヴィーガンになろうと思ったのですか?」と質問します。その答えが動物愛護のためというのであれば、それはその人の考えなので意見するつもりはありません。
ものの考え方や感じ方は人それぞれ違って当たり前ですし、何を信じるかの選択は自由であるべきだと思います。

ただ、もしその人が「肉を食べない方が健康になるから」という理由でヴィーガンになったのであれば、議論させてもらいたい。

なぜ、肉が健康に悪いといえるのでしょうか?

そもそも人間は地球上に誕生して以来、ずっと肉を食べてきました。
肉を食べてきた歴史は、穀物や野菜を食べてきた何千年という歴史よりもはるかに長いのです。
しかし、肉中心の生活(特に牛肉)が循環系疾患やガンにつながるという研究結果がたくさんあることも事実です。
果たして、その科学的証明を信じることはできるのでしょうか?

研究結果を評価するにあたり重要となるのは、何のサンプルが使われ、そのサンプルがどんな状態であったかを知ることです。
サンプルが実験の前の段階ですでに汚染されてしまっていたら、正確な結果につながるはずはありません。

ではさっそく、肉を食べて病気につながってしまった実験例をみていきましょう。

まず、肉は調理されています。ここで注目したいのが、肉がどう調理されたかです。
実験で使用された肉は、火が完全に通るまで調理されているもの、もしくは周りが黒く焦げてしまっているものがほとんどでした。

肉を高温で調理すると、HCAs(ヘテロサイクリックアミン)という発がん性物質が発生します。
▶︎参考リンク

また、高温で調理された肉には、AGE(終末糖化産物)と呼ばれる血管内で炎症を引き起こす原因となる物質も含まれています。
▶︎参考リンク

ならば、病気になったのは本当に肉のせいなのでしょうか?
それとも調理法が悪かっただけなのでしょうか?

ここまでくると疑問に思いますよね。
もし肉が生の状態もしくは正しく調理されていたらどうなのか。
カルパッチョやレア肉、タタキなら?弱火でじっくり煮込んだビーフシチューや蒸し鶏はどうなのでしょう?
ローズマリーやニンニク、玉ねぎなどと一緒に調理すれば、発生するHCAsの量を減らすこともできます。

この話をするたびにある面白い出来事を思い出します。
アメリカのメディカルシンポジウムに参加したときです。ヘルス系のあらゆるプロフェッショナルたちと同席しました(ほとんどはアメリカ人またはカナダ人)。

僕が日本出身だと言うと、すかさず日本と北アメリカの健康データの議論が始まりました。
彼らは「日本人が健康だとする統計結果の背景には、肉ではなく魚の摂取量が多いことが理由である」と主張します。
一方で、僕はすかさず割り込むように「アメリカの食文化VS日本ではなく、正確な健康データをとるには、日本の地域ごとの食文化に注目し比較するべきである」と主張しました。

日本で一番長寿とされている地域はどこだと思いますか?
沖縄です。

沖縄では、魚を食べる文化はあまり根付いていません。
彼らのたんぱく源はずばり豚肉です。

その話をした後のアメリカ人たちの驚く顔。皆さんにも見せたかったぁ(笑)。
かなりショックを受けているようでした。

沖縄では、豚肉をじっくり何時間もかけて煮込みます。
その間に浮いてくるラードは一旦取り除き、ほかの容器に移しておきます。
仕上げに、とっておいたラードを柔らかく煮込んだ豚の上にかけて完成!
これこそ沖縄の伝統料理、ラードたっぷりの豚の角煮です。

さて、すっかりラードの話になってしまいましたが、次回のブログのトピックはまさに「油」です。
「必須脂肪酸と油を摂ることの大切さ」について掘り下げていきます。
皆さん次回も楽しみにしていてくださいね。

最後に、
肉を選ぶときに覚えておきたい重要なポイントを紹介します。
・飼育環境に配慮されたオーガニックの肉や卵を選ぶこと

魚を選ぶときは、
・野生環境で育った魚であり、持続可能な漁業であること

これらすべて、まっとうな理由でしょう?