BLOG007:オメガ3

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「オメガ3は健康にいい」と言われていますが、果たして皆さんオメガ3の正しい摂り方をご存知ですか?

単純に「オメガ3は健康にいいのでたくさん摂りましょう!」とする世間一般の考えに、僕は異議を唱えます。

オメガ3を健康のために摂るのであれば「普段の食事から、どの種類のオメガ3をどのくらい摂るべきか」を意識する必要があるからです。
今回は、その理由を詳しく掘り下げていきます。

オメガ3が必須脂肪酸の一つというのは事実なのですが、だからといって、より多く摂った方がいいとは限りません。
油は酸化に弱いとお話しましたよね。油の種類によっては、すぐに酸化してしまう油もあるほどです。
ここで覚えておいてほしいのは、酸化は油が空気に触れることで起こるということ。

つまり油の一番の敵は、熱ではなく「空気」なのです。

オメガ3は多価不飽和脂肪酸という脂肪酸に属します。
多価不飽和脂肪酸の特徴は、酸化しやすいこと。

残念ですが、分子の構造上その性質を変えることはできません。
ということは、より多くの多価不飽和脂肪酸を摂ると、より酸化しやすい油が体内に入るということ。

体内は空気(酸素)で溢れています。
油が空気(酸素)に触れるとどうなるか、皆さんもうお分かりですよね。

とはいえ、オメガ3は人間の健康を保つ上で欠かせない脂肪酸ということに変わりはありません。
人間の細胞を作るために必要な要素なのです。

人間の細胞を見てみると一目瞭然。
細胞一つ一つに、数種類のオメガ3が含まれていることが分かります。

オメガ3には種類があり、その数は11種類以上。
その中で、特に摂取したい重要なオメガ3が、ALA、EPA、DHA。
僕がオメガ3を食材から摂る理由は、これらを最も効率よく摂るためです。

ALA、EPA、DHAは、人間の体内でそれぞれ違う働きをするとともに、含まれる食材も異なります。
ALAは、亜麻仁やえごま、ヘンプシードなどに含まれる植物性のオメガ3。
一方で、EPAとDHAは、天然の魚や放し飼いで育てられた鶏の卵の黄身、牧草牛のバターに含まれる動物性のオメガ3です。

動物性食品を食べないヴィーガンやベジタリアンの方は、植物性のALAのみを摂取しています。
ALAは、体内でEPAとDHAに変換されるので、動物性食品を摂らなくてもEPAとDHAを摂取できると思われがちなのですが、実は吸収できる量はごくわずか。

その証拠に、2008年に発表されたウィーン大学の研究結果では、ヴィーガンやベジタリアンは、ALAを摂取しているにもかかわらず、血液に含まれるEPAとDHAの量が極めて低いことが証明されています。
ヴィーガンやベジタリアンの方はEPAとDHA不足に気をつけたいところ。
▼参考リンク
https://www.karger.com/Article/Abstract/118629

DHAは、人間の健康を保つ上で、極めて重要なオメガ3の一種であると科学で証明されています。
一方で、ALAのみを摂取していれば健康が保たれるという研究結果はまだ一つもありません。

つまり、ALAだけでは不十分。
ALAに加えて、EPAとDHAをマストに摂る必要があるということを覚えておきましょう。

さらに気をつけたいのは、オメガ3のサプリメント。
DHAが人間の健康にいいと科学的に証明されたのは、DHAを食材から摂取した場合であり、サプリメントの効果や安全性についての証明はどこにもありません。

こうした研究結果を元に、僕はこれまで、オメガ3について人に聞かれた際は、オメガ3系のオイル製品やサプリメントの大量摂取を避けるようにアドバイスしてきました。
▼参考リンク
https://www.researchgate.net/publication/258251269_Immunomodulation_by_dietary_long_chain_omega-3_fatty_acids_and_the_potential_for_adverse_health_outcomes?fbclid=IwAR2qAqhTrkbvtTA0WbnagdeFrT0F9ES8qFd_aOpu14MXT4YSHw8VTDUhfaQ

ではここで、オメガ3系のオイル製品が工場でどのように瓶詰めされているのか考えてみましょう。

まず、植物の種から油が抽出されますが、その時点ですでに空気にさらされます。
ということは、瓶詰めされた時点で、すでに酸化してしまっている可能性は十分にありますよね?

また、皆さんがそのオイルを使用するたびにボトルに空気が入りますよね?よって、酸化は時間が経つにつれてさらに進行します。

酸化のリスクが高すぎる、、、

僕がオメガ3系のオイル製品を一切使わない理由を分かっていただけましたか?
良質なオメガ3は、食材から摂るのが一番なのです。

最後に、オメガ3が摂れる食材を紹介します。

ALAは、生のクルミや亜麻仁(種)から摂るようにしましょう。
特にクルミはおやつ代わりにつまんだり、サラダにトッピングしても美味しく食べられます。
6、7個食べるだけで、一日に必要な分のALAを摂ることができますよ。

さらに積極的に摂りたいEPAとDHAは、天然の魚を週1、2回食べるように心がけてください。
特にオススメなのはアンチョビとイワシです。
また放し飼いで育てられた鶏の卵も、オメガ3が含まれているのでオススメですよ。